Christmas Tree with Light Pens


 以前に私がイロブン掲示板で「ライト付きボールペンが大量にあるんですけど、何か面白い使い道はないでしょうかねぇ」と発言したところ、掲示板常連のピコットさんから「クリスマスツリーとか、どうよ」(大意)というご提案をいただきました。

はい、それイタダキで。

 と、まぁそれだけのことで、2003年12月18日〜25日までの一週間、この馬鹿オブジェの写真が、イロブンの期間限定TOPページとして表示されていたのです。その期間内にお越しいただいた皆様、驚かせてスミマセンでした。

 この時期、工場長が相当に忙しそうだったので、今回は管理人きだての単独工作です。



0.準備段階

 素材…ライト付きボールペン各種×17本

 現時点(2003年12月中)で、我が家の文具ストックにある“ライト付きボールペン”は53本。ただし、その大半は『構造的に電池交換不可』→『電池切れ』→『廃棄したいけどコレクターの性で捨てられず、仕方なく保存』という鬱陶しいコンボが成立している、ゴミ同様品。
 今回使用した17本は、形状とか機能性とか点灯方式の美しさとか、そういうのは一切関係無しで『とりあえず手近にあって確実にライトが点くヤツ』という、身も蓋もない観点からチョイスしました。ええ、点くだけなら確実に点く…そういう意味に置いてのみ、精鋭揃いです。

 適当にいくつか紹介してみましょう。

ラメ入りライトペン】
ペン軸内に水とラメチップとLEDを封入したペンです。軽く振ってから点灯させると、ラメが光を反射しながら動くので、なかなか綺麗です。

働くボールペン】
【耳書き】と同じく『よしもと楽笑生活』発のライトペン。ボタンを押すと、警告灯が数秒ほど点滅します。

折り畳みミニライトペン】
ペン先カバーの透明部分全体が発光します。これを折り畳むと、ま四角のミニライトに変形。光量は今回準備した中でもトップクラス。

スタンドライトペン】
「ライト付きのペン」と聞いてこの点灯ギミックを思い浮かべる人間は、明らかにオカシイと思います。軸後端から伸びた傘をパクンと起こすとライトオン。…いや、確かに手元は明るいんですけども、こうじゃなくてもいいん違うのん?




 …などなど、どいつもこいつも一癖あるようなペンばかりですが、見ていて下さいセンセイ。見事にクリスマスツリーの電飾として吊してみますよ。美しく輝けライトペンたちよ。


1.下ごしらえ

 ライト付きペンの点灯スイッチというのは、その大半が、レフィル先端になっています。書くためにペン先を紙面に押し当てるとライトが点く、という仕組み。
 しかし今回は、ペン自体を中空に吊り下げる関係上、ペン先をどこか固いところに押し当てるということが出来ません。しょうがないので、ホットボンドを板の上に絞り出して固め、ペン先カバーを作成することに。


 かたまったホットボンドの塊は、ペン先がかろうじて突き刺さるぐらいの固さ。軟質プラっぽい感じです。大ちゃんっぽくてなかなかラヴリな見た目ですが、ここでこのツルリとした愛らしさに騙されていては作業が進みません。というわけで、心を鬼にして、えいやっとペン先を突き刺します。
 あとは、ペン先を押し込んだ状態のままでカバーごとセロテープで巻いてペン軸に固定すれば、常時点灯式ライトペンのできあがりです。カバーのおかげで、ペン先がテープを貫通することもありません。ありがとう自作ペン先カバー。君たちの尊い犠牲は忘れない。

 ホットボンドは、こういう小細工以外にも意外と使い道があるので、一家に一セットあると便利です。私はメガネのツルが折れたときの応急処置などに重宝しました。
 ホームセンターなら、1500円ぐらいで、グルーガン(ボンドを溶かして絞り出すためのガン)とホットスティック(棒状のボンド塊)20本ぐらいのセットが購入できると思います。おススメ。


2.かざりつけ

 これまたホームセンターで買ってきた、安物のプラツリー(90cm/0そ)。
 ただ、このままではちょっとツリーが大きすぎるので、幹を真ん中ぐらいからベキッとへし折って、立たせるためのツリースタンドを直で接着。さらに、くっつけた跡がちょっと美しくないので、100円ショップで購入した銀もこもこの星付きモールを巻き付けて誤魔化してみました。…あまり不格好さは改善されなかったようなので、ここら辺は写真の加工でなんとかすることにしました。

 あとは、かねて準備のペンどもを、目立たないよう緑色の細モールで、ツリーに飾り付けていきましょう。光の回り込みなんかも考えて、写真には写らない裏側にも、きちんとペンを配置します。
 クリスマスツリーには、やはりコレがないと淋しい、ということで、ちぎったパンヤもトッピングしてみました。おおどんどんツリーらしくなっていく。しかしよく見ると、煌々と輝いているのは、電飾ではなくボールペン。これは果たして正しいクリスマスツリーなのか。




3.撮影

 では撮影です。背景用の黒画用紙を壁と机に貼り付けて、ホーリーナイトを演出です。背景の継ぎ目はあとでちょちょっと消すので無問題。
 普段の文具の撮影は、専用のスタジオボックスを使っているのですが、今回はツリーが高すぎてボックスに収まらなかったので、このような面倒なことをやっています。
 周りを遮光すると、ウチのデジカメではシャッタースピードをバルブにしたってまともに撮れやしないので、わざと適当にデイライトが入ってくるようにしてあります。射し込みの強すぎる西日は板でカバー。

 では、カメラを三脚に据えてパシャパシャパシャパシャパシャ…と。さあ、結果はこのページのトップで再確認あれ!

 …正直、一発ネタにしては手間がかかりすぎでした。冷静に考えたら、年末進行ド真ん中じゃなかったっけこの時期。よくこんなことやってるヒマあったな、我ながら。



4.おまけ

 2.の段階でツリーの幹をへし折ったときに、フと「ああ、この幹の直径は、ちょうどペンレフィル仕込めるぐらいの太さだなぁ」と思ってしまったのが運の尽き。気が付くと、飾り付けを中断して、電動ドリルで幹に穴をぐりぐりと掘っておりました。
 レフィルだけでは味気ないので、ちゃんとカバーも着けてます。しかも、幹の奥に軽めのバネを入れて、ツリーモードの時はペン先が中に引っ込むようにまで細工している始末。

 ボールペンとクリスマスツリーの融合体『書けるクリスマスツリー』は、おそらく本邦初だと思われます。

 で、これだけ無駄手間かけたにもかかわらず、うまいことサイトのトップ画像として見せる工夫を思いつかなかったことから、ボツギミックとなってしまったのです。ああ勿体ない。