カスタネットはさみ
どことなく“出来の悪いコラージュ写真”に見えなくもない、コクヨのユニバーサル文具。名前もそのまま【カスタネットはさみ】です。バネ付きの握り部分を握るたびに、カッチンカッチンと小気味よい音が鳴るようになっています。なるほどカスタネットだ。
この形状だと、指が動かし辛い人でも、掌で握りを包み込むようにすれば切り進めることが出来るワケですよ。なるほどなるほど。
それ以外にも『お子様の初めてのはさみに最適』とか『リハビリテーションに最適』とか能書きがついてます。リハビリってことは、普通のハサミ使うより手に負荷がかけられるってことなんだろうなぁ。ユニバーサルな能書きをフかせりゃ天下一品のコクヨさんも、さすがに『普通のはさみより少ない力で使えます』とは言えなかったようです。
ところでこの手のバネ式はさみの難点の一つとして、「何かの勢いで握りに力が加わった場合、持ち手の意志に依らず切り進めてしまう可能性がある」というのがあります。わりと事故・怪我の元だったりするんですよね。特にこんな音が鳴るようなギミック付きイロモノだと、子供が刃物だと意識せずにポンツク鳴らしてザックリ大怪我、なんてこともありえます。
で、コイツも、そういった事故を防ぐために、本体と同系色の刃先キャップがかぶせてあります。実はこのキャップが、なかなかの出来モノ。側面にスリットが入っていて、ここに紙を通せば、キャップをはずさずに紙切りができるようになっているんですね(下写真)。おお、これはちょっとイイですよ。
刃先は完全にカバーされてるし、スリットはせいぜい紙か布ぐらいしか通らない幅だしで、音モノ大好きな落ち着きのないお子様でも安心ですよ。キャップを外せば、普通に使うことも可能ですが、さほど外す必要性は感じません。つけっぱなしでOKですよお母さん。
この商品、発売こそコクヨですが、デザインは【ハンディバーディ】をデザインしたトライポッド、ハサミ部分は長谷川刃物の作。この3社は、ユニバーサルデザイン絡みの企業間コラボレーションを行うために、アダプテック・ユニオンという連合を組んでまして、そこから、このようなカタチの製品がポコポコと生み出されているわけですね。誰ですか「企業コラボとか言って頭数だけ揃えたわりにゃ結局出来たのが今さら感特盛りiMacカラーのポンツクハサミかよオイ?」とか言ってる酷い人は。…そんな人はいませんか私の脳内の声ですかそうですか。
いや、見た目よりはずっと面白くてイイ出来だよ、このポンツクはさみ。この手の企業間コラボの欠点“商品の価格がグッとお高く”が、ちょっとキツいんですけどね。定価1,500円てなんだよ。3社で500円ずつ分け分けするんかコラ。
入手時期:2004年2月
価格:1500円
生産国:日本
販売元:コクヨ
キャップ装着したままサクサク。
刃はテフロン加工なので粘着テープも平気でサクサク。