SWISS BUISNESS TOOL

ステープラ・1穴パンチ・ハサミ・ナイフ・針リムーバーが一体化した複合文具。この真っ赤なボディに十字のマークでピンとくる方もおられるでしょうが、アーミーナイフでお馴染み、スイスWENGER社のアイテムです。

十徳ナイフと文具の合成と言えばこういう先例があるんですが、どっこいこっちの方が遙かに高級品。なんと定価15,000円ですよ、いちまんごせんえん。この手の馬鹿なモノに金を払い慣れている私ですら、かなりドキドキする買い物でした。

お値段は高級…では実物はどうかと言いますと、これがなかなか、いかにもスイスツールらしいズッシリとした重量感があり、お値段なりの持ち応え。側面のポップアップレバーをひねると、ハサミなどツール類がニョキッとせり上がってくるギミックも、それなりに高級機っぽくて素敵です。おお、いい感じじゃないですか。

さて、では実際にステープラとして使ってみましょう。なんせ15,000円のステープラですからね。かなりゴウジャスな使い心地ではないかと推測するワケですよ。

ではでは、普段はロック機構で閉じた形態ですので、ロック解除の辺りからマニュアルを読みつつ使用してみますよ。

A. 中央のスライダを動かしてロック解除。

B. 前方のボタンを押すと、マガジンが降りてきます。

C. 後方のボタンで、マガジンリリース。針を入れてください。

準備OKです。さぁ針もセットしたことですし、いざ、ガッチャン。…? (B.)。…続けて、ガッチャン。…?? …(B.)。さらにガッチャ…ムキー!!! なんですかコレは。紙を綴じようと針を打ち込むと、何故かその度にマガジンが本体内に収納されてしまいまいます。これでは続けて綴じられないですよ。ええい、困ったときはマニュアルをもう一度チェックです。

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『TOOLを開き、前方ボタンを押してマガジンを下げます(図B)』

『前方ボタンを押しながら針を打ちます』

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…………そう来ましたか。私は、いちまんごせんえんを支払った上で、握りながら押すにはどう考えても不自然な位置にあるボタンを押しつつ紙を綴じる羽目に陥ってるようです。

何回かトライしてみたんですが、どうしてもベストな作業ポジションを見つけることは出来ませんでした(指、攣りそう)。っつか多分ベストポジション無いし。説明書にも外箱にもビタイチ『ステープラ形態で手に握られている図版』が載っていないことから考えても、どうやらWENGER、故意犯くさい。

実は、後方のマガジンリリースボタンの真下辺りに1穴パンチがありまして、ステープラの針打ち動作と連動してパンチドリルが降りてくる仕組みになってるんですね。なるほど、パンチを打つ度に針を無駄打ちにしてたら勿体ないから、前方のボタンを押し続けてないとマガジンが収納されるようなギミックになってるんですね。

…って、おまえらアホかぁぁぁぁぁぁぁぁっ。パンチとステープラの使用頻度を考えたら、どっちの作業に便利なように作っておくべきか判るだろうに。いやもう、ほんと頼みますよWENGERさん。せめてマガジンロックぐらい付けてください。付けろ。付けんかワレ。10号針ステープラとしては信じられないような高額商品なんだから、小さなロック機構一つすら組み込めないとは言わせませんですよ。

WENGERが、何でこんなわけのわからん構造を採用したのか、あるいは何かの都合で採用せざるを得なかったのか、その辺は解りません。いったい何がしたかったのか説明してくれWENGER。でないと、たかだかステープラにいちまんごせんえんつぎ込んだ上に指が攣りかけた人間の立場がないぞ。

今回ばかりは、自分がどれほど因果で無益なサイトを運営しているかを痛感しましたさ。とほほん。

入手時期:2003年8月

価格:15000円

生産国:スイス

販売元:WENGER



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